美味しいお茶が出来るまで2016.05.01
美味しいお茶はこうして生まれます
まず、現在の深蒸し茶の原点は手揉み技術にあります。
生葉を抽出しやすくし、保存性を高める煎茶本来の製法です。茶葉を蒸した後、丈夫な和紙を貼り、炭火で下から熱する焙炉(ほいろ)の上で手で茶葉をほぐしたり揉んだりして乾燥させながら仕上げます。
手揉みの特徴は針状になっていてお湯を注ぐと茶葉の形に戻ります。
静岡県式の製法は、江戸時代に発案された「宇治製」をもとに、明治初期から中期にかけて県内で考えられ「コロガシ」「デングリ」の独自技術を加えたものです。
そして現在の深蒸し茶の製造方法の動作も手揉みの手さばきを応用して作られています。
その事を踏まえて美味しい深蒸し茶が出来るまでの工程を紹介したいと思います。
まずは茶畑から茶葉を摘採し、製茶工場へ運びます。
お茶の味の全ては茶畑から良い茶葉を作る事によって決まってきます。
なのでここでの管理は1年間丹精込めて作りあげています。
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「生葉保管室」
運ばれてきた茶葉は1度生葉保管室にて保管されます。
ここの部屋は下から湿度の高い空気が送られ生葉の鮮度が維持出来るようになっています。
キャタピラになっていて少しずつ前に移動し次の工程の「蒸し」の機械へ運ばれます。
ここでの保管は摘採から24時間以内とし鮮度の高い茶葉を製造しています。
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「蒸熱」
いよいよ製造作業に入ります。
これが「蒸し工程」です。
蒸気で茶葉を蒸し、酸化を防ぎます。
この工程はお茶の製品を決める心臓部とも言われ「水色・味・香り」の骨格がここで決められます。
蒸し機は2種類あり「送帯蒸し機」と「丸胴蒸し機」があります。
僕の工場では「丸胴蒸し機」を採用しています。
ここから深蒸し茶が作られます。
深蒸し茶とはと思った方はこちらをクリックしてください。
僕が過去に深蒸し茶について詳しく書いたブログがあります。
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「処理」
次は蒸葉処理機という機械へ入り熱風を送りならな表面の水分を取っていきます。
深蒸し茶の製造は豊富な蒸気を使用するため蒸し機から出てきたお茶は手揉みのお茶とは違い水分が非常に高くそのまま手揉みと同じ工程に入ると細胞が分裂しすぎてダマになってしまいます。
そこでこの機械で50%程度の水分を処理します。出たお茶は人の手でも感触を確かめ水分の取れ具合を確認し丁度いい水分になるように微調整します。
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「葉打ち」
前回の工程で処理した水分の50%をここでさらに処理します。
手揉みで言う葉振るいと同じ工程です。
熱風を送り表面の水分を取りながら打圧を加えて揉みます。
早い回転を加えお茶の葉がバラけて均一に水分が取れるようにします。
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「粗揉」(そじゅう)
次に粗揉工程です。
こちらでは手揉みの「コロガシ」と言われる工程を行います。
打圧を加えて茶葉の水分を表面に揉みだしながら熱風で水分を取ります。
大体45分程度ここで時間をかけゆっくりと水分を取りながらしっかり揉み込んで茶葉を柔らかくしていきます。
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「揉捻」(じゅうねん)
茶葉を一塊にして圧力を加えながら全体の水分を均一にしながら揉みます。
ここで茶葉の茎の部分も緑色に染められます。
写真は中に何も入っていない状態ですがこの中に茶葉が送られると上の竿の部分が水平になり、中の分銅によって圧がかけられます。
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「中揉み」(なかもみ)
揉捻工程から出てきたお茶は塊になっているのでここで塊を一度揉みほぐし次の工程の準備をします。
前の工程で茶葉の中から水分が揉み出されているのでここでお茶を触ってみると粗揉工程の時よりも水分があるように感じます。
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「中揉」(ちゅうじゅう)
全行程でほぐれたお茶を再び揉みながら熱風で乾かします。
小玉になりやすいので茶葉が上乾きしないように調整していきます。
ここでは次の工程でお茶を整形させるための準備をしています。
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「精揉」(せいじゅう)
手揉みの「デングリ」と言われる工程を機械化した物です。
手で揉むように一定方向に揉み、光沢があり細く伸びた形にします。
こちらの動きはインスタグラムでも紹介しています。
動画が見たい人はこちらをクリック
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「乾燥」
精揉機から取り出したお茶は水分含水有量13%前後でこれを熱風乾燥で水分含有量5%程度に乾かします。
ここで乾燥機に入れる理由は製品を速やかに乾燥して貯蔵ができるようにするためです。
これで荒茶と呼ばれる製品が完成し、この後に商品にするために仕上げ作業し入ります。
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「整形・分別」 ふるい分けをして切断し茶葉の形を整えます。
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「火入れ」 残りの水分を乾燥しお茶の香りを引き出します。
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「冷却」 冷却して風味を守ります。
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「ブレンド」 味の調整をし均一化をします。
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「包装」 茶袋に包装をし製品の完成です。
美味しいお茶が出来るまでには幾つもの工程を経て作られて行きます。一つ一つ丁寧に作られたお茶は別格です。是非ご賞味ください。